固化培土
(エクセルソイル)
育苗タイプ
農業用エクセルソイル 育苗タイプ
育苗用培土 特許第3425431号
育苗の総合的省力化に大きく貢献する培土です。
従来の育苗培養土では困難であった花壇苗や切花苗の若苗移植が可能になるとともに、理想的な培土の物理的構造を生かして苗質および歩留まりの向上が期待できます。
エクセルソイル 育苗タイプの特徴
●根巻きを嫌う品目(直根性)の若苗移植が可能で、品質向上が期待できます。
●従来の培土に比べ排水性もよい上、十分な保水力もあるので潅水管理が簡略化できます。
●保湿性が抜群な上、固定化されているので輸送性や保管・店頭管理に優れます。
トルコキキョウ 根の比較
左:慣行セル苗利用の株
右:エクセルソイル利用の若苗移植の株
ピンセット等で苗を抜くことができ、根巻き前での圃場への移植が可能になります。
エクセルトレイ
育苗用に使われるエクセルソイルは「エクセルトレイ」を使用しています。
播種用:512・406・288・200・128・72穴
挿木用:200・128・72穴
エクセルトレイ512 | エクセルトレイ406 | エクセルトレイ288 | |
---|---|---|---|
穴数(短辺×長辺) | 512(16×32) | 406(14×29) | 288(12×24) |
外寸(短辺×長辺×高さ㎜) | 282×542×25.4 | 282×542×25.4 | 282×542×32.0 |
底穴径(㎜) | 7.7 | 8 | 8 |
1セル容器(㏄) | 3 | 3.9 | 8.9 |
センターリブ径(有・無) | 無 | 有 | 無 |
重量(g) | 510 | 430 | 530 |
エクセルトレイ200 | エクセルトレイ128 | エクセルトレイ72 | |
---|---|---|---|
穴数(短辺×長辺) | 200(10×20) | 128(8×16) | 72(6×12) |
外寸(短辺×長辺×高さ㎜) | 282×542×44.8 | 282×542×43.5 | 282×542×49.0 |
底穴径(㎜) | 8 | 10 | 11 |
1セル容器(㏄) | 12 | 20.4 | 46 |
センターリブ径(有・無) | 有 | 無 | 無 |
重量(g) | 510 | 420 | 390 |
エクセルトレイは、耐久性・作業性・リサイクル性を重視した環境にやさしいPP製のトレイです。
ワンウェイの場合は、アンドウケミカル製のトレイを使用します。
播種用:512・406・288・200・128
挿木用:288・200・128
フラット:72・32
商品名 | セルトレーPP 32穴 | セルトレーPP 72穴 丸 |
---|---|---|
セル穴の形 | 丸 | 丸 |
トレー寸法m/m A×B×C |
545×280×54 | 545×280×44 |
セル穴の数(配列) | 32(4×8) | 72(6×12) |
セル穴寸法(X×Y) | φ58.5 | φ37 |
セル穴の底寸法(m/m) |
φ12 | φ10 |
a(ピッチ) | 64.4 | 43.3 |
b(ピッチ) | 62.8 | 42.4 |
センターリブ | × | × |
上穴 | ● | ● |
商品名 | セルトレーPP 72穴 角 | セルトレーPP 128穴 DP(深型) |
---|---|---|
セル穴の形 | 角 | 角 |
トレー寸法m/m A×B×C |
545×280×46.5 | 545×280×48 |
セル穴の数(配列) | 72(6×12) | 128(8×16) |
セル穴寸法(X×Y) | 37×37 | 30×30 |
セル穴の底寸法(m/m) | φ10 | φ8 |
a(ピッチ) | 42.7 | 31.25 |
b(ピッチ) | 41.5 | 30.15 |
センターリブ | × | ● |
上穴 | ● | ● |
商品名 | セルトレーPP 200穴 | セルトレーPP 288穴 |
---|---|---|
セル穴の形 | 角 | 角 |
トレー寸法m/m A×B×C |
545×280×40 | 545×280×39 |
セル穴の数(配列) | 200(10×20) | 288(12×24) |
セル穴寸法(X×Y) | 23.9×23.9 | 20×20 |
セル穴の底寸法(m/m) | φ8 | φ7 |
a(ピッチ) | 25.91 | 21.6 |
b(ピッチ) | 25.64 | 21.3 |
センターリブ | × | × |
上穴 | × | × |
商品名 | セルトレーPP 406穴 DP(深型) | セルトレーPP 512穴 I |
---|---|---|
セル穴の形 | 角 | 8角 |
トレー寸法m/m A×B×C |
545×280×25.5 | 545×280×22 |
セル穴の数(配列) | 406(14×29) | 512(16×32) |
セル穴寸法(X×Y) | 16.5×16.5 | 15.8×15.8 |
セル穴の底寸法(m/m) | φ7 | φ6 |
a(ピッチ) | 17.5 | 16.29 |
b(ピッチ) | 17.5 | 16 |
センターリブ | ● | × |
上穴 | × | × |
事例
トルコギキョウ
最初にトライした品目は、トルコギキョウです。
トルコギキョウの種はケシ粒より小さいため、直接畑に播くことができません。
従って、苗箱に播いて有る程度、大きくなったら移植します。
ところが、トルコギキョウは、ゴボウのように直根性の植物なので、育苗箱のなかで根が曲がったり、根がグルグル巻いてしまうと、移植した後も、本来の生長をせず、花つきや、茎の長さなどに影響します。
これを解決するには、根巻する前に移植する以外方法はありません。
ここで、固めた培土エクセルソイルを利用したところ、植え付けの作業性も改善でき、高品質の花の生産に寄与しています。
なお、このエクセルソイルを利用した生産技術は、岡山県農業試験場の協力を得て、全国に普及しています。
キュウリ
キュウリの苗にも、年間、数百万本利用されています。
近年、キュウリの苗は、接木苗が主流で、接木方法も複雑です。
別々に播種した台木と、穂木を接木し、台木の株元を切り取って、それを挿し木します。
その後、しばらく養生し、出荷します。
■機能性資材を有効活用し生産性を向上
ここでエクセルソイルは、その特性を生かして省力化に寄与しています。
従来の培土に比べて、空気層が多いので挿し木の発根が早く、固まっているので、根鉢を形成する前に出荷調整ができる点です。
この2つの効果で、生産者は、従来より最大1週間も早く、出荷でき、施設の回転も大幅に向上します。
パンジー
この他にも、パンジーなど、花壇苗の機械移植による省力化技術が実用化され、
イチゴ
日最高培地温度の推移
(2012年:広島県立総合技術研究所農業技術センター)
“紅ほっぺ”における花芽分化の推移(左)と年内収量(右)
(2012年:広島県立総合技術研究所農業技術センター)
その他のエクセルソイル苗
シクラメン |
バラ |
カーネーション |
キャベツ |
100種を超える植物に固化培土は利用されています。
このように、さまざまな植物に利用されている固化培土ですが、ユーザーにとっては従来の培土よりコストも高くつきます。
それにも関わらず利用するメリットは、高品質苗・歩留まりの向上・省力栽培が挙げられます。
固化培土のメリット
1.培土の三相分布が理想的にコントロールできる。2.固めてあるので、目詰まりしにくく、とくに重要な気層が長期維持できる。
3.ポリエステル繊維が導管となり培土中の水分を均一にする。